モバイルSuicaアプリや、モバイルPASMOアプリは、当然ですがスマホ内部にある(FeliCaの)メモリーを読み書きできます。
しかし、他のアプリから同様のことをするのは、非常に難しいという問題があります。
まず「アプリからスマホ本体に内蔵されたおサイフケータイのメモリーを読み書きする方法」は、無償では提供されていません。
これに対応するアプリを開発するためには、NTTドコモ社などと必要な契約を結び、必要なプログラムを入手して、対応する必要があります。
そのためには高い開発費が発生するため、現在は開発に着手できません。このアプリはもちろんのこと、当然ながら他のフリーソフトでも同様に対応するものは存在しません(できません)。
そこで次に説明するように、このアプリではパソリを併用します。
なお、このアプリのプレミアムサービスや、このアプリのファンクラブをご家族・ご交友などに紹介し、応援をいただければ、将来的にアプリから直接本体メモリーを読み取る機能を開発する計画です。
このアプリでは、最も安く実現できる現実的な手段としてUSBでパソリを繋ぐ機能を提供しています。
Androidアプリからパソリを制御する方法はソニー公式には提供されておりませんので、弊社が独自に開発しています。このため、多数あるこのカテゴリーのAndroidアプリからパソリが使えるのは、ICカードこれひとつのみです。
詳細は「外付けデバイス」のページをご覧下さい。
モバイルPASMOアプリが公開されてから、モバイルSuicaと共存できないことに腹を立てた人がモバイルPASMOアプリに★1を付けるという問題が発生しました。しかし本来なら共存できないものですから、できない方が普通なのです。
あまりにもモバイルPASMOアプリが不憫だったことや、ICカードこれひとつとこれらモバイル交通系ICカードを利用者が共存しながらうまく使いこなせるように、以降その辺りを参考情報として記載します。
モバイルSuicaのSuicaと、モバイルPASMOのPASMOは、FeliCa技術としては同じものです。
利用者からすると機能やサービス面で差はありますが、FeliCaとしてみると同じシステム番号とサービス番号を用いています。そうしないと、自動改札機が対応できないからです。
このため、本来この二つは衝突してしまうため共存できないのです。
これは、従来一つのスマホにSuicaを2枚、3枚と入れられなかったのと同様の理由です。
iPhoneではサービス開始時点から切り替えに対応していましたが、Androidでも、幾つかの選ばれた特殊な機種では切り替えに対応し、モバイルSuicaとモバイルPASMOの共存が可能となりました。
具体的な技術は不明ですが、本来共存できない二つを同居させるため、完全に切り替えて片方を見えなくすることで、共存できるようになっています。
おサイフケータイのメモリーは「共通領域」と「鉄道・バス領域」があります。
ちなみに、FeliCaのシステムコードとしては、共通領域はシステムコードFE00、鉄道・バス領域はシステムコード0003となりますが、これは技術者以外は知らなくても問題ありません。
さて、この二つある領域のうちの「鉄道・バス領域」について、各モバイルサービスが消費するブロック数は次の通りです。
従って、SuicaやPASMOをスマホに2枚以上入れたい場合は、最低でも鉄道・バス領域のブロック数が上の合計値以上存在する必要があります。
つまりSuicaが2枚なら378ブロック、SuicaとPASMOなら490ブロック以上が必要になります。もしなければ、ある機種に機種変更する以外に増やす方法はありません。なぜならそのスマホに内蔵されているFeliCaのメモリーの容量が少ないからです。SDカードを挿すかのようにして後から増設することはできません。
パソリを繋ぎアプリからスマホを読み取った場合、「おサイフケータイアプリ」からメイン側に設定した側のみ表示可能です。
駅の自動改札機などでも同様にメイン側しか見えないため、カード2枚重ねしてエラーになるような問題は生じません。
このようにメイン側に切り替えた側のみが見え、もう片方は完全に隠されて見えなくなります。これによって、技術的には同じものを共存可能としています。
このために、サブ側(メイン以外のもの)はNFCからは一切読み書きできませんので、アプリからはどうやっても読み取ることはできず、また存在自体認識できません。
読み取りたい方をあらかじめ、「おサイフケータイアプリ」からメインに切り替えておいてください。
令和3年3月21日、モバイルSuicaはリニューアルし、この時に「おサイフケータイアプリ」と連携して「Suicaを2枚(または2枚以上)持って切り替えて使う」ことも可能となりました。
可能な機種は随時発表されると思いますが、具体的にはモバイルSuicaとモバイルPASMOが共存可能な機種とほぼ同じだろうと思われます。必要となる具体的な技術はほぼ同様だからです。
FeliCaのメモリーをたくさん持つスマートフォンの場合は、Suicaを2枚またはそれ以上持つことが可能です。モバイルPASMOもメモリーの残容量が許せば共存可能です。なお、モバイルPASMOは現時点では2枚以上に対応していませんので、共存する場合でもPASMOは常に1枚のみです。
モバイルPASMOからすると、スマホは次の4種類があります。
1は選ばれた特殊な機種です。
多くのおサイフケータイ対応機種は2ですが、中には3もあります(理由後述)。
上述した「消費メモリー」の説明にもあるように、モバイルSuicaは189ブロック、モバイルPASMOは301ブロック使用します。
このようにモバイルPASMOはモバイルSuicaより112ブロックも多く消費します。鉄道・バス領域の少ないスマホは、モバイルSuicaは入ってもモバイルPASMOが入れられないという現象が生じます。
これが上記の3にある、モバイルSuicaしか入れられない機種(モバイルPASMO未対応)です。モバイルPASMOが入れられないような機種はそもそもメモリーが少ないことが原因ですので、機種変更が必要です。
以上より、一つのスマホにモバイルSuicaとモバイルPASMOを共存させるためには、スマホに次の仕様が必要になります。
共存できないのはモバイルPASMOアプリ等の問題ではなくご利用中のスマホ自身に原因があります。モバイルPASMOアプリには責任はありませんので、どうしても共存が必要な場合は機種変更をするしかありません。
モバイルSuicaとモバイルPASMOの共存は新技術ですので、新技術は対応する新機種を購入する以外には使う方法がないということです。
令和5年春からサービス開始予定としてJR西日本が発表しています。モバイルICOCAは仮称としているため正式なサービス名がどうなるかは不明ですが、混乱を招かないためには恐らくモバイルICOCAのままとなるでしょう。
使用するFeliCaのブロック数などは現状では不明ですが、共存などについてはモバイルPASMOと同様の制限が生じます。モバイルPASMOより省メモリーであれば、モバイルPASMOが使えない機種であっても、モバイルICOCAは使える可能性があります。
ICカードこれひとつでのサポートについては、サービスが開始されてから順次対応をさせていただきます。